2014.10.16
夏休み期間、ほぼ毎週実施したボランティア駅伝。
キャンセル待ちが出るほどの人気で、多くの神大生が現地で活動してきました。なかでも参加者が心待ちにしていた目玉企画、8月の浜っこまつりと9月の遠野まつりの様子をお伝えします。
[陸前高田の浜っこまつり、パワーアップ!]
昨年に続き、今年も陸前高田市要谷地区の「浜っこまつり」にお誘いいただきました。子ども支援活動のリピーターが中心となり、さまざまな企画を立て、要谷青年部やコーディネーターの佐々木さん、大学職員と打ち合わせを重ねながら綿密な準備をしてのぞみました。
8月10日、当日はあいにくの雨になりましたが、青年部の方が、公民館に素敵な会場をつくってくださいました。神大生は、昨年と同じく輪投げとストラックアウト(ボードに開けた穴にボールを投げ入れるゲーム)、さらに水鉄砲射的のコーナーも新しく設置し、屋台班はクレープとタピオカドリンクを出店。どこもたくさんの笑顔があふれていました。子どもたちと「久しぶり!」と声をかけあったり、地域の方に近況報告をしたり、初対面の子と仲良しになったりと、36人のメンバーそれぞれが出会いや再会を楽しみながら、地域のみなさんと一緒にお祭りを盛り上げました。
≪参加者の声≫
4月から準備にとりかかり、限られた時間のなかで多くの関係者の方々と連絡を取り合い、時には注意されたり時には助言をいただいたりして、ひとつの企画を実現することが大変なことで、多くの人の支えがあってこそ確立できるものなのだと実感し、学ぶことができました。お祭りは楽しく、目標であった「笑顔あふれる場」をつくることができたと思います。またそれ以上に、多くの人と出会い、触れ合うことができ、人とのつながりの大切さを改めて意識する機会に恵まれたことをうれしく思っています。現地の方ともお話をしましたが、来年も再来年も浜っこまつりがある限り、あの青いKUカラーが輝いていることを強く願っています。
(工学部2年 泉谷篤史*Team浜っこまつり代表)
今年も青年部の手伝いをしたが、相変わらず仲よさそうに話している青年部のみなさん、青年部の大人と話す子どもたち、子ども連れのおじいちゃんおばあちゃん、友達と何を買うか相談する中学生などなど、去年と変わらない祭りを見ることができた。仲間や家族が被災していたり、今まで住んでいた場所が失われたり、たくさんの喪失を経験しているなかで、祭りという場、共同体が密になる場を創出することは、とても価値あることだと感じる。神大生が浜っこまつりを手伝っているのは、運営の人数が減ってしまったという理由だけでなく、何かポジティブな変化が欲しかったのかもしれない。負の変化が多い中で、若さという活力に触れることで元気が出るのだと思う。元気が出るのは青年部の方だけでなく、感謝される私たちにもいえることだ。
(理学部4年 三浦望)
今年も陸前高田市のマスコットキャラクター・たかたのゆめちゃんと、神大のマスコットキャラクター・JINくんKANAちゃんが共演。地元の盆踊り、チャオチャオ音頭をみんなで一緒に踊りました!
[絆を深めた遠野まつり]
2011年から参加させていただいている遠野まつり。南部ばやし、しし踊りや神楽など地域の郷土芸能が一同に集まる、遠野市で一番大きなお祭りとあって、毎年多くの観光客でにぎわいます。今年は遠野八幡宮の例祭と6年ぶりの合同開催とあって、地元の方々の気合もいっそう入っていました。
9月20日は遠野市の中心部でのお披露目、翌21日は八幡宮での奉納となり、両日とも気持ちのよい秋晴れに恵まれました。神大生が参加しているのは、遠野市6区の「仲町南部ばやし」。仲町の方に特訓を受け、女性が踊り、男性が小鼓を担当しました。20日は駅前の大通りを中心に、町のあちこちを練り歩きながら披露します。21日、八幡宮では恒例の流鏑馬がおこなわれた後、その馬場が会場となり、大勢の観客が見守るなか奉納しました。最初は慣れなかった神大メンバーも、繰り返し演じるごとに、どんどん上達していきました。
遠野の伝統文化に触れられるのはもちろんのこと、仲町の方々との交流もこの活動の大きな魅力です。着付けや練習にはじまり、2日間出ずっぱりのなか、ずっと温かく励ましてくださいました。子どもたちともすっかり仲良くなり、最後の打ち上げも大盛り上がりで終わりました。2011年から12年にかけて、ボランティア駅伝が遠野市に拠点を置いて大変お世話になった、そんな縁から続いているこの交流を通して、仲町を「第2のふるさと」と感じた参加者も多かったようです。
≪参加者の声≫
現地の人にたくさん良くしていただきました。地元の人たちは遠野まつりのためにたくさん準備をしていて、ご飯や飲み物、私たちが着る着物を用意し、着付けやメイクなど全てやってくださいました。優しく、愛のある人たちばかりだったので、私たちも何か力になりたいと思いました。地元の人たちにとっては20歳前後の若者が来て、祭りを盛り上げてくれることがうれしいのではないかとは思いますが、それ以上に与えられることが多いボランティアでした。
(経営学部3年 石田理穂)
昨年の参加者の話や写真から想像していたお祭りのイメージを、良い意味でくつがえされました。本当に市民全員が参加し、人ではなく町が作り出しているお祭りだと思いました。鼓を叩きながら歩くことも良い経験でしたが、それ以上に、優しく温かい遠野市民の方と接し、お祭りという行事を共に作ることができたのが何よりもうれしかったです。これまで3度ほどイベント便に参加しましたが、今回が一番、現地の方とコミュニケーションがとれた気がします。東北へ行くことは、ボラ駅の参加を含めこれが最後のつもりでいましたが、ボラ駅が無理なら旅行としてでも遠野に行きたい気持ちでいっぱいです。遠野大好きです!
(経営学部4年 滝澤 俊)
南部ばやしは優雅な踊りとリズムが特徴です。初日は遠野の街のあちこちで、2日目は遠野八幡宮で、美しい木もれ陽を受けながらの披露となりました。去年に続いて参加した男子3人組は、「子どもたちが覚えていてくれた」と感激!
2014.07.15
KU東北ボランティア駅伝、2013年度版の報告書「ボクラのボラ駅」が完成しました。活動内容や参加者の声、3年目のデータなどをわかりやすくまとめた記録集です。
2011年4月~2013年3月末までにボランティア駅伝に参加した方全員に進呈します。横浜キャンパス、湘南ひらつかキャンパスの被災地支援室まで取りに来てください。
2014.05.30
2014年5月19日、横浜キャンパス3号館305教室にて、ドキュメンタリー映画「あの街に桜が咲けば」の上映会が行われました。岩手県陸前高田市内の津波到達地点に桜を植える活動を行っているNPO法人「桜ライン311」の活動を紹介し、震災を経験した人々が強く生きる姿や彼らが抱える思いを伝えるドキュメンタリーです。
上映後には、小川光一監督の講演と減災のためのワークショップが行われ、また、神奈川大学の卒業生で、現在「桜ライン311」の職員である佐々木良麻さんも、震災時にまつわるご自身のお話を聞かせてくださいました。
終了後におこなったアンケートでは、
「悲しいできごとを記憶から消すのではなく、残しつつ新たな希望を植えるということは素晴らしいと思った」
「『人は、自分の身に何かが起きてからでないと行動しない』と思い込んでいたが、その現象は断ち切れると信じる監督の思いが伝わった。自分もそれに応えていきたい」
「あらためて危機感を感じた。周りを巻き込んで防災を徹底したい」
など、災害や減災についての意見や、メッセージに強く共感する声が多く上がりました。
この上映会は、ボランティア駅伝のリピーター学生が中心となって企画・開催されました。学生たちが現地に行って学んだり感じたことを基に「関東でできること」として企画。法学部・荻村哲朗講師の協力を得て、「政治学特講Ⅱ」の授業内特別公開講座として実施され、履修生以外にもボランティア駅伝の参加経験者を中心に多くの受講生が集まりました。同世代の監督や卒業生を交え、震災や防災、そして自分の立ち位置についてもあらためて考えさせられる良い機会となりました。