2014.05.30
2014年5月19日、横浜キャンパス3号館305教室にて、ドキュメンタリー映画「あの街に桜が咲けば」の上映会が行われました。岩手県陸前高田市内の津波到達地点に桜を植える活動を行っているNPO法人「桜ライン311」の活動を紹介し、震災を経験した人々が強く生きる姿や彼らが抱える思いを伝えるドキュメンタリーです。
上映後には、小川光一監督の講演と減災のためのワークショップが行われ、また、神奈川大学の卒業生で、現在「桜ライン311」の職員である佐々木良麻さんも、震災時にまつわるご自身のお話を聞かせてくださいました。
終了後におこなったアンケートでは、
「悲しいできごとを記憶から消すのではなく、残しつつ新たな希望を植えるということは素晴らしいと思った」
「『人は、自分の身に何かが起きてからでないと行動しない』と思い込んでいたが、その現象は断ち切れると信じる監督の思いが伝わった。自分もそれに応えていきたい」
「あらためて危機感を感じた。周りを巻き込んで防災を徹底したい」
など、災害や減災についての意見や、メッセージに強く共感する声が多く上がりました。
この上映会は、ボランティア駅伝のリピーター学生が中心となって企画・開催されました。学生たちが現地に行って学んだり感じたことを基に「関東でできること」として企画。法学部・荻村哲朗講師の協力を得て、「政治学特講Ⅱ」の授業内特別公開講座として実施され、履修生以外にもボランティア駅伝の参加経験者を中心に多くの受講生が集まりました。同世代の監督や卒業生を交え、震災や防災、そして自分の立ち位置についてもあらためて考えさせられる良い機会となりました。
2013.12.16
2013年11月28日(木)、湘南ひらつかキャンパスのサーカムホールでボランティア駅伝の報告会が行われました。今回は鈴木 寛太さんと久保田 真由さん(ともに経営学部4年)を中心に、学生が企画を立てて実施。昨年同様、磯田 昇先生の「ボランティア論」特別公開講座として行われ、受講生を含む110名が参加しました。
今年の活動報告として、まずボランティア駅伝の動画が上映され、続いて現地コーディネーターの佐々木 桂典さんを迎え、陸前高田の被害の様子や現状についてお話ししていただきました。今もなお200名以上の行方不明者の捜索が続いているとのことで、改めて被害の大きさや、まだまだ継続的な活動が必要だと実感させられました。
後半は、参加経験者を交えての座談会。子ども支援や漁業のお手伝いなどの活動報告や参加して感じたことなどを各自が発表しました。また今後の活動方針についても「もっと学生が主体になって活動したい」「仮設住宅に入っていきたいね」などの意見交換がありました。
ボランティアについて学ぶことはもちろんですが、現地に行って活動し、自分で見たり話を聞いたりすることも大切。そう感じた人も多かったのではないでしょうか。「春休みに参加したい」という声も多くあがっていたので、参加者増加につながることを期待しています。
【受講生たちの感想】
「震災から2年も経っているという考えから、まだ2年しか経っていないという考えに変わった」
「今は“何かしたい”という気持ちでいっぱいです」
「“神大かっこいい”と思った。学生目線でのボランティアを見られてよかった」
「報告会という形で情報を共有する、告知することが大切。これを継続していくことでボランティア駅伝の襷は繋がっていく」
2013.11.26
11月20日、横浜キャンパス16号館セレストホールで、ドキュメンタリー映画『先祖になる』の特別上映会を開催しました。主人公・佐藤直志さんの土地に根差した力強い生きざまや、震災で大きな被害を受けた陸前高田の街や人々の様子など、さまざまなシーンに心を揺さぶられる映画です。KU東北ボランティア駅伝に参加経験のある人なら、見聞きしてきた光景が随所に出てくることに気が付いたはずです。
上映後は、監督の池谷薫さんをお迎えし、ボランティアとして現地に何度も足を運んでいる学生とトークセッションを行いました。池谷監督には映画の製作秘話や現地の人々の様子などをお話しいただき、学生からは、自分が携わった活動の報告や、感じたこと・学んだことの話をしてもらいました。池谷監督から「大学が継続して行っていること、彼らが何度も参加していることが素晴らしいね」との声が上がり、学生に向かっては「人間って面白いよ?ぜひいろいろなことにぶつかっていってほしい」と、人生の先輩としてアドバイスもいただけました。
来場者は、ボランティアの参加経験者や、口コミで集まった学生、教職員や一般の観覧者も含め、約120人。上映後に行ったアンケートではさまざまな感想が寄せられました。
「ほろりと涙が出たりクスッと笑ってしまう直志さんのドラマから目が離せなかった」
「ボランティアに行った記憶がよみがえってきて、改めて震災や被災地について考えるきっかけになった」
「単に震災を描いたのではなく、その経験を乗り越える一人の人間のストーリーとして考えることができた」
「監督の言う『人間力』という点で学ぶものが多かった」
「学生ボランティアの体験話が具体的で、まぶしさとたくましさを感じた」
大学の被災地支援プロジェクトから生まれた今回の上映会。ボランティアへの参加も、ドキュメンタリー映画を見るのも、躊躇があったり抵抗を感じる学生が多いかもしれませんが、どちらも案外垣根が低く、人としての視野を広げてくれるものです。今後もなるべく多くの神大生に参加してほしいと思います。